第27回日本脊椎インストゥルメンテーション学会

開催のご挨拶

第4回日本脊椎前方側方進入手術研究会
会長  金子慎二郎
独立行政法人国立病院機構
村山医療センター整形外科
金子慎二郎

 この度、第4回JALASの会長を担当させて頂く事になりました国立病院機構村山医療センター整形外科の金子慎二郎です。本会の開催にあたり、御協力を頂いております各方面の方々に、この場をお借りしまして深く御礼申し上げます。
 脊椎前方側方進入手術は古くから行われてきた極めて有効な術式でありますが、脊椎前方側方進入手術に関しての若手医師等に対する訓練制度は十分に確立されていないという問題点が有ります。
 一方、近年、OLIF(oblique lateral interbody fusion)やXLIF(extreme lateral interbody fusion)等の低侵襲の腰椎前方側方進入手術(いわゆるLLIF(lumbar lateral interbody fusion))が多く行われるようになってきています。これらの術式は、従来行われて来た術式の欠点を補う潜在的発展性を有する術式と考えられますが、これらの術式、合併症、臨床成績等に関する情報は未だ、十分ではありません。
 そこで、各医師・各病院・各研究機関の間での脊椎前方側方進入手術に関する情報交換等を通じて、理解・知見を深め、適切なtraining制度の確立・拡充、及び、脊椎前方側方進入手術に関係する分野での学術的な発展等を目的として本会を設立致しました。
 第1回JALASでは267名、第2回JALASでは322名、第3回JALASでは333名の方々に御参加頂いており、立ち上げたばかりの研究会にこれだけの人数の方々に御参加頂いた事は、本分野に対する脊椎外科医の関心の高さを示すものと我々は考えております。
 過去3回のJALASでは、会長を御担当頂いた先生方が素晴らしいプログラムを組んで頂きました。過去3回のJALASでは、比較的basicな内容を重視したプログラムになっておりましたが、我々は、今後、本研究会に対するneedsは二極化して来るものと考えております。
 即ち、新たに脊椎外科を専門とする事を決めた若手医師やこれまで脊椎前方側方進入手術の経験に比較的乏しかった医師等、basicな内容を中心に聞きたい新たな参加者と、過去のJALASでbasicな内容を既に何回か聞いた参加者や脊椎前方側方進入手術の領域に於けるベテラン医師等のadvancedな内容を中心に聞きたい参加者の両方のneedsに応えるべくプログラムの内容を発展させていく事が重要と考えております。
 そこで、私が担当させて頂く第4回JALASでは、よりadvancedな内容を拡充し、また、一般演題の枠に関しても拡充したプログラムにさせて頂きました。一方、よりbasicな内容を中心に聞きたい新たな参加者のneedsにも応えるべく、第3回までのJALASの内容をより発展させた形のプログラムを用意させて頂きました。
 脊椎前方側方進入手術は適切な形で施行されれば、患者さんに様々な恩恵をもたらします。実際、私自身、脊椎前方側方進入手術が適切なケースで適切な形で施行されれば、患者さんに如何に大きな益をもたらす素晴らしいか手術か、様々なケースで実感して来ました。
 私自身は、先輩方に御指導を頂いて、脊椎前方側方進入手術の技術を習得する機会を多く有しておりましたが、必ずしもその様な機会に恵まれない若手医師が少なく無い事も事実です。
 諸外国に比して、日本は比較的、脊椎前方側方進入手術の発展の歴史が充実している国であり、我々の先人達が築き上げて来たこの技術をさらに発展させて、次の世代に引き継ぐ事は、我々にとって非常に重要な事であると考えております。
 その様な共通の問題意識を持つ有志で本会を設立致しました。
 本来は脊椎前方側方進入手術で対応した方が良い病態に、その技術が無いという理由で、また、医療安全対策の一環という名の下に、脊椎前方側方進入手術を行わずに、後方進入手術で対応しているケースを時折、目にします。この様なケースで、結果的に、本来は脊椎前方側方進入手術で対応していれば施行の必要の無かった追加手術が必要になり、脊椎外科のプロフェッショナルとして患者さんにbestの医療を提供している形になっていない場合も少なくなく、その観点からするとこの様な形は真の意味での医療安全対策では無いと考えます。
 脊椎前方側方進入手術は限られた施設で行えば良いという考え方もありますが、患者さんの病態から判断して、脊椎前方側方進入手術が適切な形で施行されれば、患者さんに様々な恩恵をもたらすケースは少なくなく、この様なケースを全て、脊椎前方側方進入手術が施行可能な限られた施設で行うという事は現実的ではありません。
 その様な中で、LLIFが本邦に導入され、脊椎前方側方進入手術を施行する施設が増えて来ているのは事実であります。
 LLIFの本邦への導入は、開創器の進歩等に伴って、腰椎の前方側方進入手術全体の低侵襲化を加速させた形になっていますが、腰椎領域のみならず、脊椎前方側方進入手術全体の低侵襲化の中で、新たな課題も出て来ました。
 インターネットが普及した現代に於いては、致死的合併症を日本のいずれかの施設で認めれば、全体にも何らかの形で影響を与える事は明らかであり、日本全体で取り組むべき課題も多々、存在します。
 その意味で、特に脊椎前方側方進入手術の有用性やその価値を知る人間にとっては、脊椎前方側方進入手術に関わる医療安全に日本全体で取り組んで行く事は非常に重要であると考えております。
 脊椎前方側方進入手術は、(1)脊椎前方側方進入手術の合理的な適応、(2)脊椎前方側方進入手術の技術の十分な習得、(3)様々な意味での医療安全対策の3つの条件が全て揃って初めて、本来の望ましい形の結果に繋がると考えており、この3つの柱を網羅する様な形で、第4回JALASのプログラムを用意させて頂きました。
 (1)の脊椎前方側方進入手術の合理的な適応に関しては、ベテランの医師でも判断が悩ましいケースが少なくないと考えられる疾患を主な対象に、“when to go anterior”というタイトルでそれぞれの分野のexpertの先生方に、脊椎前方側方進入手術で対応する事が望ましいと考えられる病態に関して、御講演を御願いしました。
 (2)に関しては、それぞれの分野のexpertの脊椎外科医のみならず、他科領域の専門家の先生方の知識や技術も非常に参考になる場合が少なく無い為、様々な分野の先生方に御講演を御願いしました。
 (3)に関しては、(2)と同様、他科領域の専門家の先生方の知識や技術も非常に参考になる場合が少なく無く、また、院内管理職、弁護士、行政、それぞれの立場の方々から見た医療安全対策に関しても御講演を頂く予定にしており、これに関しても幅広い分野の講師の先生方に御講演を御願いしました。
 本研究会の開催を通じて、本邦で、より合理的な適応で、より安全な形で、脊椎前方側方進入手術が施行される様になる事を願っており、その意味で、本研究会の開催自体が、脊椎前方側方進入手術に関する最大の医療安全対策(真の意味での医療安全対策)になれば幸いと考えております。



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